さやがわです.
今日は,カニの話をします.
カニの話をするために,まず生成AIの話から始めます.
私は,(特にコンピュータ関係で,民間人が容易にアクセスできる)新技術や,新サービスといったものに強い関心があります.最近のトピックでいえば,生成AIがその枠に当てはまることは言うまでもないかと思われます.
生成AIの中でも,とりわけ画像生成AIには強い関心があります.なぜなら,おもちゃとして遊ぶ際にもっとも楽しい成果物が出来上がるのが,画像生成系のAIだからです.
さて,最初に画像生成AIにアクセスし,プロンプトを打ち込むとき,あなたはどのような情景を表現したいと思うでしょうか.もちろん,実際の利用方はさまざまですから,オン・デマンドで必要な画像を生成するのが,もっとも良い使い方です.しかし,最初はどうでしょう.どのような能力があるのか,気になりませんか.でも,「テスト」とか打っても,仕方ない(生成物を評価できない)ですよね.
私は,カニだと思います.
なぜなら,カニはかっこいいからです.
どのような点でかっこいいかについては後で述べます.
カニのなかでも,巨大化し,海から都市に上陸して,ビル街を破壊して回るカニが,もっともかっこいいのではないかと考えています.
なぜなら,巨大化し,海から都市に上陸して,ビル街を破壊して回るカニは,かっこいいからです.
画像生成AIは,この,巨大化し,海から都市に上陸して,ビル街を破壊して回るカニという存在を,容易にビジュアライズしてくれる点で,カニ界に激震をもたらしました.
私が最初にカニ画像を生成させたのは,OpenAI社が開発している,DELL E・2というモデルです.
日本の大都市を襲う巨大蟹
— さやがわ (@38gw_78) 2022年8月3日
をAIに描かせた pic.twitter.com/XHtZAm1wUp
民間人が利用できる画像生成AIとしてはごく初期(2022年)のものなので,まだまだ荒削りかなといった印象は受けますが,それでも,カニのかっこよさ,怖さは十二分に引き出せているのではないかなと思います.
さて,DELL E以外のモデルでも試してみましょう.
次の4枚の写真は,Midjourneyというモデルが描いたカニです.
ちょっといかつすぎなきらいもあるように思えますが,かっこいいですね(そのようなプロンプト書いているため).
さて,カニは,街を破壊しなくともかっこいいものです.
これは,カニ議会です.かっこいいですね.このような議会であれば,政治への関心も高まるのではないかと思います.
このように,画像生成AIの力によって,かっこいいカニの画像を従来よりも容易に,かつスピーディーに得られるようになりました.
この調子で生成AIが普及すれば,街(に貼られているポスターなど)はカニでいっぱいになってしまうのではないかと思われます.しかし,今のところそうなる気配はありません.どうしてでしょうか.
それは,多くの人がまだ,カニのかっこよさに気づいていないからです.
実際に,私の友人らにとって,カニはあまり魅力的な生き物ではないようです.このような見識の人がまだ大多数を占めていることは,日本の巨大カニ界隈にとっても重大な損失です.
ですので,ようやく本題とはなりますが,以下では,カニ,とくに巨大化し,都市を破壊して回るもののかっこよさについて説明したいと思います.
とはいっても,ここまで記事を読み,クールなカニ画像の数々をご覧になった読者の方にとっては,もはや説明不要かもしれません.しかし,念の為,まさかいないとは思いますが,まだカニのかっこよさがわからないという方がいらっしゃる可能性も捨てきれませんので,一応説明します.
- デカくて,大きい
巨大化したカニは,大きいです.巨大化の小さいものでは高さが5mほど,大きいものではおそらく100m程度あるのではないかと考えています.大きい分にはどれだけ大きくても良いのですが,あまり大きいとカニかどうかわからなくなってしまいます. - 甲羅があり,殻である
甲羅がある生物はカニのほかにもいろいろいますが,カニの甲羅の独特な無骨さと,頑丈そうさ(「頑丈そう」というイメージの程度),怪しさに勝てる甲羅はありません. - 横長で,横に長い
エビを想像してみましょう.エビは,縦に長いですし,丸まっており,あまり迫力がありません.そもそも,人間の都市を襲う際は,横長の方が適しているのではないかと思います.なぜなら,人間は,基本的には地球の表面をなぞるように動き,上下方向の移動はあまりありません.同様に人間の都市も,基本的には地球の表面をなぞるように,2次元的に広がっています.したがって,横に長いカニの方が,エビよりも効率よく都市を破壊でき,恐ろしさ倍増ということになります. - 赤くて,レッド色
赤はかっこいいと決まっています.無論,赤でないカニもいて,彼らも十分かっこいいのですが,やはりかっこよさにおいて,赤いことは重大なアドバンテージになり得ると思われます. - 武器をもっており,武装している
カニはハサミを持っています.強いです.人間は勝てません.屈服しましょう. - 左右方向に移動し,横に動く
意外すぎる.読めません.こわすぎ - 多足で,足がいっぱいある
人間には2本しかないのに,やつらにはたくさんあります.怖いです.
以上が代表的なものですが,カニのかっこよさは枚挙にいとまがありません.そもそも,かっこいいというのは個人の感想でしかないので,論理で説得するのは無理です.しかし,カニのどのような点が魅力的なのかについては,共有できるところとなったでしょう.
今後,カニの,とくに巨大カニのかっこよさに気づくひとが増えれば,街はよりいっそうかっこよくなるのではないかと思います.
とくに,生成AIの普及は,巨大カニのビジュアライズをよりいっそうアクセシブルにし,カニ文化の振興にあたってきわめて重要な役割を果たすでしょう.このような,草の根のカニ振興も重要ですが,しかし一方で,生成AIはまだまだクオリティの面で課題を抱えているのも事実です.そのため,職業画家や,CG作家などが,品質の高いカニを世に送り出すこともまた,重要なのではないかと思われます.
今はまさに,カニ前夜です.
生成AIの普及は,絵画などの技能を持たないものでも,「下から」文化振興できる可能性を示しています.カニがまさにそうです.
21世紀は,まさしくカニの世紀となるでしょう.
カニをビジュアライズするのは,AIがやってくれます.しかし,彼らがカニをかっこいいと思うだけの「知能」を持つかどうかは,まだわかりません.ただひとつ言えるのは,豊かな想像力を武器にすれば,われわれは彼らと協力しながら,豊かなカニ社会を描くことができるということです.
カニとともに生きる未来.それは,あなたの想像力にかかっています.
Be Creative with crabs......